皆様こんにちは。
歯科医師の長井です。
本日も医療法人恵優会に御来院頂き有難う御座います。
今回は歯肉の移植についてお話しさせて頂きます。
皆様は“歯肉の移植”と聞いて何を思い浮かべますか?
今回は、
・歯肉とは?
・何のために歯肉の移植を行うのか?
・どんな手術でどこから歯肉を持ってくるのか?
上記の3つの疑問について、ひとつずつ説明をさせて頂きます。
歯肉とは?
歯肉とは、歯の周りにある粘膜の事で、歯茎とも呼ばれています。
歯肉は、場所によって名前と役割が異なります。
なかでも、歯の周りの歯肉は重要で、「遊離歯肉」、「付着歯肉」と区別されて呼ばれています。
遊離歯肉:歯に近い側の歯肉のことです。触ると多少動きます。
付着歯肉:遊離歯肉以外の部位です。動かない歯茎のこと。
何のために移植を行うのか?
歯肉の移植は歯茎が下がった部位に対して行います。
歯茎が下がる主な原因は、歯周病と不適切なブラッシング(力を入れすぎる歯磨き)です。
歯周病とは、歯のまわりの骨や粘膜などの組織に慢性的な炎症がある状態です。
炎症によって歯茎の下の骨が吸収され、それとともに歯茎が下がります。
それに伴って歯の根っこ(歯根)が露出していきます。
歯茎が下がって歯根が露出したたままでは見た目も良くありません。
また、歯磨きがしづらく、不衛生な状態になりやすいです。
知覚過敏になることもあります。
それらの症状の場合に歯肉移植を行います。
歯肉移植の目的は、他の部分の歯肉で歯根を覆って、下がった歯肉を回復させる事です。
一度下がった歯茎は、クリーニング・除石などの歯周治療だけではなかなか回復出来ません。そのため歯肉の移植が必要になります。
どんな手術でどこから歯肉を持ってくるのか?
術式は色々あるのですが、簡単に言うと歯肉を切り取ってきて歯肉を回復させたい部位に貼り付けます。
そうすることで歯肉の形態を回復し②で述べた目的を果たそうとします。
持ってくる部位は患者さんご自身の硬口蓋(上あごの裏側)と呼ばれる部位の粘膜です。
硬口蓋から切り取ってきて必要な部位に貼り付けます。
ご自分の身体から採取することで拒絶反応などのリスクがなくくっつきが良いです。
手術の方法は目的や部位、状態などによって多少の違いはありますが、どの手術もおおよそ似た目的・方法をとることが多いです。
いかがでしたでしょうか。
少し難しい話もあったと思いますが、気になることがあればお気軽に御相談ください。
また、歯周病は日頃からのケア・メインテナンスが大切です。
検査やクリーニングだけでも大歓迎ですので、まずは一度御来院ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
宜しければ、「
歯根端切除術について」もご覧ください。
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