2017.05.26 15:26:28
みなさんこんにちは
おおたモールの歯科医師高橋です。
本日もおおたモール歯科、おおたメディカルモール歯科、アシコタウン歯科に御来院いただきありがとうございます。
本日は、「神経の治療後、土台を立て、かぶせ物をしないといけない理由」についてお話させていただきます。
皆さんは、神経治療をした後、歯が大きく残ってる場合でも、なぜ大きく削り、かぶせ物をしないといけないの?と思ったことはありますでしょうか。現在の医療では低侵襲性治療(可能な限り体に与えるダメージを減らした治療)が当たり前なのに、なぜ大きく削らないといけないのでしょうか。
まず歯の神経ですが、正式名称は歯髄と言います。歯髄には神経のみならず血管や歯の象牙質(歯の中の層)を作る細胞がいます。そういった組織がいるため、通常虫歯が進行してきてもその刺激に対して歯を固くし、内部に虫歯菌が進行するのを防ぐことが出来ます。
しかし、虫歯が歯髄に到達し、強い痛みが出てしまうと、抜髄(歯の神経を取る治療)をしないと痛みは取れません。
歯髄を取ると痛みは取れますが、神経と一緒に歯を作る細胞や血管も一緒に取ることになります。すると、歯に水分や栄養が供給されなくなり、生の木が枯れ木のようになってしまいます。それによって強い力で噛んだ時に割れてしまう可能性が高くなります。運悪く、縦に歯の根っこのほうまで割れてしまった場合は、抜かなくてはいけなくなってしまうこともあります。
神経を取った歯に、単に詰め物を入れた状態で長期間咬ませると、詰め物は上から入れる時に入りやすいようにするため、外開きの形態になっています。そうすると、これが楔となり、縦に割れてしまう可能性が高くなります。
そのため、土台をたてる若しくは樹脂で欠損部を補った後に歯の周りを削り、かぶせ物を作ることにより、その淵の部分全周で力を負担させることにより割れにくくさせる必要があります。
神経治療をした場合、何も治療しないで放置した虫歯の場合と比べれば歯の寿命は延びますが、神経治療をしていない歯に比べて寿命が大幅に短くなってしまうと言われています。その理由としては、①(再び被せ物の淵から)虫歯になってしまった場合痛みを感じないため、気が付くとかなり大きくなってる ②神経治療後に被せ物をつける接着剤や根の中の薬が劣化してしまい、膿がたまり、歯を支える骨が溶かされてしまう。などが考えられます。
そのため、定期的に歯科医院を受診して、
上記をお勧め致します。いつでもお気軽にご相談下さい。