2017.11.21 10:18:50
皆さまこんにちは、いつもご来院頂き誠にありがとうございます。
本日はお口の中の病気についてお話させて頂こうと思います。
口腔内の癌の種類について
そもそも癌(悪性腫瘍)というものは、組織学的に上皮性の癌(癌腫)と非上皮性の癌(腺癌、肉腫、悪性リンパ腫、転移性癌)に分類されます。
口腔内の癌は90%が癌腫です。
そして口腔癌は発生部位によっても分類されます。
国際対癌連合(UICC)では頬粘膜(頬の粘膜)、歯肉歯槽粘膜(歯ぐき周りの粘膜)、硬口蓋(お口の天井部分)、可動部舌(舌の前方2/3)、口腔底、口唇粘膜部の癌腫を口腔癌として分類しています。
余談ですが口腔がんの日本における部位別発生率は以下のとおりになっています。
舌癌55%
歯肉癌19%
口腔底癌10%
頬粘膜癌9%
硬口蓋6%
口唇1%
圧倒的に口腔癌では舌癌が一番多いことがわかります。
他に、口腔領域の非上皮性癌には、悪性黒色腫。悪性リンパ腫、唾液腺癌などがあります。こちらは先ほど記載した通り発生頻度は非常に稀です。
他の癌同様、大きさはTNM分類、病期はステージで表示
TNM分類
T1:原発腫瘍の大きさが2㎝以下
T2:原発腫瘍の大きさが2~4㎝
T3:原発腫瘍の大きさが4㎝以上
T4a:口唇原発巣が骨髄、下歯槽神経、口腔底、皮膚に浸潤したもの
口腔原発巣が骨髄、舌深層筋、上顎洞、顔面の皮膚に浸潤したもの
T4b:咀嚼筋間隙、翼状突起、頭蓋底へ浸潤したもので、内径動脈を全周囲取り囲むもの
N1:同側リンパ節に単発し、大きさが3㎝以下
N2:a:同側リンパ節に単発し、大きさが3~6㎝
b:同側に多発し、大きさが6㎝以下
c:両側または対側で、大きさが6㎝以下
N3:リンパ節転移巣の大きさが6㎝以上
M0:遠隔臓器への転移がない
M1:遠隔臓器への転移がある
病期分類は上記を組み合わせてステージ分けしたものです。
以上、なかなか複雑で難しい口腔内の癌の分類ですが、お分かりいただけたでしょうか?
視点が変わると分類の仕方変わってきますね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!