皆さんこんにちはいつも医療法人恵優会にご来院いただきありがとうございます。
今回は「咬む力は認知症のクスリ」についてお話させていただきます。
【認知症】とは
脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。 アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。 次いで多い血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によっておきる認知症です。
認知症の高齢者は年々増加し、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。
認知症に大きく関係する要因として、噛む力が注目されていることをご存じでしょうか。いったいどんな影響があるのでしょう。
なんでも噛める人(歯が20本以上残っている)に比べて、あまり噛めない人(歯が数本で入れ歯もなし)では認知症の発症リスクが 1.9 倍です。
認知症を予防するためにも、よく噛めるお口を維持することは大切です。
よく噛めない状態、つまり多くの歯が欠損したまま放置された状態が認知機能低下につながるといわれています。具体的には、
①虫歯や歯周病の治療がなされていないことによる慢性炎症のある状態。
②よく噛めないことによって栄養摂取や栄養状態が悪化している。
③よく噛めないことによって脳への刺激が低下している。
これらの原因によって認知機能が低下すると考えられています。
物を噛む(咀嚼)ことで脳内の血流が増え、神経活動が活発になります。血液が送り込まれることで脳は刺激を受けますから、噛めば噛むほど脳は活性化されるというわけです。噛む回数を増やすという意味で、ガムを噛むのもいいと思います。
歯が弱ったり抜けたりして十分に噛めないと、柔らかい食べ物を好むようになり、ごはんやパン、麺類など炭水化物の摂取量が増えます。そして、噛みごたえのある肉や、繊維の多い野菜を避けるようになります。
結果、噛む回数がさらに減るので脳への血流は減り、脳の老化が加速します。摂取する栄養が偏るため、免疫力の低下や生活習慣病のリスクも高まります
したがって、多くの歯が欠損したまま放置された状態、よく噛めない状態というのは、認知症のリスクが高い状態であると言えます。定期検診・早期受診により歯を失わないように努め、歯を失った場合も入れ歯などにより噛む力を回復することで、将来的な認知症の防止につながるよう心がけましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
-医療法人恵優会-
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