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がん治療と口腔ケアについて

2018.11.11 08:30:20

がん治療と口腔ケア




こんにちは。アシコタウン歯科院長の近藤です。
今回はがん治療と口腔ケアのかかわりについてお話させていただきます。

近年、周術期(手術の前後の期間)の口腔ケアが、治療に有効にはたらくということがわかり、手術を受ける前に歯科医院の受診をすすめられたり、病院に口腔ケアのチームが作られたり、という動きが活発になっています。

さて、がん治療と口腔ケア、どのような関係があるのでしょうか?

 

 

 

がん治療で起こるお口のトラブル


 

がん治療で起こりうるお口のトラブルには以下のようなものがあります。

 

 
①口腔粘膜炎

抗がん剤や頭から首の範囲のがんの放射線治療によって、口腔内の粘膜細胞に直接影響が起こります。粘膜に炎症が起きるため、

・出血しやすい

・粘膜の痛み、腫れ、凍み

・嚥下痛(飲み込むときの痛み)

・味覚障害(味がわかりにくい)

などの症状がでます。さらにひどくなると、炎症部分から細菌が入り、感染症を起こすこともあります。



 

 
②口腔乾燥

抗がん剤や頭から首の範囲のがんの放射線治療後、唾液を分泌する細胞への直接的なダメージにより、唾液の分泌量が減ります。それにより、お口の中が乾燥します。口の中が乾燥すると、

・食事を噛んでもまとまらない

・お口の中がざらざら

・ひりひりする

・会話がしにくい

・入れ歯を装着しづらい

などの症状が現れます。さらにひどくなると、

・虫歯ができやすくなる(唾液に虫歯の菌を殺菌したり、再石灰化を促す働きがあるため)

・痛みが強く、会話が食事がむずかしくなる

・義歯が外れやすくなる

など、生活に支障が出る場合があります。



 

 
③誤嚥性肺炎

物を飲み込む働きを嚥下機能、口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまうことを誤嚥と言います。誤嚥性肺炎は、嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。

がん治療には誤嚥性肺炎を起こしやすい条件がそろっています。

・手術を伴うがん治療の場合、気管内挿管(人工呼吸器をつけるために口や鼻を経由して気管内にチューブを挿入すること)時に口腔内の細菌がチューブに付着し、気管に入る

・手術後に呼吸機能が低下し、気管内に唾液や食べ物と一緒に細菌が入る

・お口周辺のがんの場合、嚥下機能の低下により、誤嚥がおきやすくなる

などから、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。

 

 

 
④歯が折れる、抜ける

手術を行う場合、上でも述べたとおり、気管内挿管を行います。その際に、歯が虫歯で弱くなっていたり、歯周病で揺れがあったりすると、挿管時に歯が折れたり抜けたりすることがあります。



 

これらのようなトラブルのリスクを軽減してくれるもの、それが口腔ケアです。

 

 

 

がん治療における口腔ケアの意義




お口の中をクリーニングすることにより細菌の数が減り、口腔粘膜炎が起きるのを防いだり、重症化のリスクを減らすことができます。

お口の中をクリーニングすることにより細菌の数が減り、誤嚥性肺炎のリスクを減らすことができます。

あらかじめ抜けそう、折れそうな歯を治療することで、手術時に抜ける、折れるのを防ぐことができます。

入れ歯に不具合があると、粘膜炎や口腔乾燥が起きたときに、痛みが増すのを防ぐことができます。

 

がん治療の不安や悩みを一つでも減らすためにも、治療がはじまる前に歯科医院を受診されることをおすすめします。

また、がん治療に関わらず、全身麻酔による手術を行われる方は、上記の③④のトラブルが起こる可能性があります。いつ、なにが起こるか分かりませんし、歯科の治療のために手術が延期になる場合もありますので、痛くなくてもメインメンテナンスのために歯科医院へ通院されるとよいでしょう(^_^)!



 

 

分からないことや不安なことがありましたら、お近くのモール歯科グループへお越し下さいませ。

 

最後までお読み頂きありがとうございます。
宜しければ こちら(入院前の口腔治療について)もご覧ください。

 

 

 

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