皆様こんにちは。本日も御来院していただきまして、ありがとうございました。今回は歯周外科手術についてお話しさせて頂きたいと思います。
歯周外科手術
この手術は歯周病の程度により、実施適応であるか判断をしますので、まずはじめに歯周病について簡単にご説明させて頂きます。
歯周病とは......
プラーク(歯垢しこう)中の細菌により、歯周組織(歯肉や歯を支える骨など)に炎症が起きる病気です。初期症状の歯肉の出血、腫れに始まり、進行すると、歯を支えている骨が減ってしまい、歯の揺れが出てきます。そして、重症化すると自然に歯が抜け落ちてしまいます。
―歯周病の進行段階―
①歯肉炎
歯肉の表面に付着した細菌が歯肉内部に侵入しようとし、これに対しての防御反応で炎症が起こります。この炎症が歯肉のみに留まっている状態が歯肉炎です。歯肉が腫れて出血しやすく、ブラッシング時の痛みも生じます。また、悪化すると膿や口臭がみられるようになります。
②歯周炎
更に炎症が広がり、骨の一部が溶け始めるのが歯周炎と呼ばれる状態です。歯周炎は、軽度・中度・重度の3段階に分けられます。
軽度:歯茎の炎症に加え、歯を支える骨が溶かされ始めます。歯周ポケットも徐々に深くなっていき(2~4㎜)、深くなった歯周ポケットにプラークや歯石が溜まりやすいため、放置しておくと中度・重度の歯周炎へと進行してしまいます。
中度:歯茎の炎症もより強くなり、出血・膿の量が増えます。また、軽度歯周炎よりも更に骨の吸収が進んでいるので、歯がぐらつき、咬んだときに違和感や痛みが出てしまうこともあります。歯周ポケットもより深くなります(4~6㎜)。
重度:中度歯周炎よりも出血・排膿・口臭が強くなります。歯周ポケットは非常に深くなり(6㎜以上)、骨の吸収もかなり進み、歯のぐらつきがひどくなります。放置しておくと、自然に歯が抜け落ちてしまうことがあります。
☆歯周外科手術の適応は、中度以上に進行した歯周炎です。
この状態になると、治療器具がポケット内に届かないことがあるため、ポケットの奥深くに溜まったプラークや歯石を除去するために、歯根面を露出させる必要があります。歯周病が進行してしまった部位の歯茎を切開し、歯根面に付着したプラークや歯石を直接見て確認し、除去します。
―歯周外科手術の分類―
4つに大きく分類することができます。
①組織付着療法
歯根面及び歯周ポケット内部に蓄積した細菌や細菌由来の汚染物質を徹底的に取り除くことが目的です。骨切除や骨整形を伴わない外科処置です。歯根やポケットの清掃が完了したら、歯肉軟組織が歯根面に付着するよう処置をします。
ご参考までに、以下のような種類があります。
・歯周ポケット掻爬術
・歯肉剥離掻爬術 ⇒⇒手術時に歯周組織再生療法を併用すると治療効果が高いとされています。細胞を増やす成長因子(塩基性線維芽細胞成長因子)を主成分とする、歯周組織再生医薬品リグロスⓇは、H.28から保険適応になりました。リグロスには、歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する作用があります。
・フラップキュレッタージ
・新付着術(ENAP)
・ウィドマン改良フラップ
・アクセスフラップ
②切除療法
軟組織および骨組織を切除して、歯周ポケットをなくし、歯周環境の改善を図ります。
ご参考までに、以下のような種類があります。
・歯肉弁根尖側移動術
・歯肉切除術
・骨切除術
・骨整形術
③歯周組織再生療法
欠損した歯肉や歯槽骨などの歯周組織を再生させる治療法です。
ご参考までに、以下のような種類があります。
・GTR法
・エムドゲイン
④歯肉歯槽粘膜形成術
歯肉組織の形態や位置、欠損を修正するために行います。審美性の回復や歯周病の進行抑制の目的で行われる治療法です。
ご参考までに、以次のような種類があります。
・小体切断術
・口腔前庭形成(拡張)術
・遊離歯肉移植術(FGC)
・歯肉結合組織移植術(CTG)
・歯肉弁移動術(根尖側、歯冠側、側方)
歯周病の予防は日頃のブラッシングが大切ですが、口腔内の状態によっては、歯科医院での専門的なケアが必要な場合もあります。口腔周囲のことでお困りなことがございましたら、是非一度、ご相談ください。お待ちしております。
最後までお読み頂きありがとうございます。
宜しければ
こちら(歯肉が腫れる原因)もご覧ください。
-医療法人恵優会-
おおたモール歯科 群馬県太田市飯塚町ベイシアパワーモール内
おおたメディカルモール歯科 太田イオン隣 メディカルポート内
アシコタウン歯科 栃木県足利市アシコタウン内(マクドナルド、サイゼリヤ隣)
おやまモール歯科 栃木県小山市立木 ベイシアモール内
いせさき西部モール歯科 群馬県伊勢崎市宮子 ベイシア伊勢崎モール内